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2024-02

妊娠中の便秘について…

妊娠中の便秘について

妊娠すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加します。
このプロゲステロンは平滑筋の収縮を弱くするので子宮収縮が抑制されて、流・早産しにくくなると言われています。

ところが、腸管の動きも抑制してしまいます。また妊娠経過により大きくなった子宮によって腸管が圧迫される事により、腸管の動きはさらに鈍くなります。
このような原因から、一般に妊娠中は便秘になり易いのです。

日頃から便秘の方の場合には、それが当たり前になっている事も多いようですが、妊娠中は出来れば妊娠初期から分娩に至るまで、便秘をしっかりと解消して、『毎日、食べた分に見合った量の便が、あまり硬くない便が、強く息まずにスムーズに出る』状況が望ましいです。

一般に便秘が酷い場合には、腸管内に『宿便』と言って硬い便が停滞している事があります。
硬い宿便が沢山残っている場合には、分娩時に胎児の下降の妨げになる事もあります。
実際に30年前には、陣痛で入院した妊婦さんには、もれなく浣腸をしていました。

また硬い便を出すのに、強く息んで排便する習慣になっていると気付かないうちに痔になっている事も多く見られます。痔は放置していると、分娩時に息んだことによって悪化してしまい、将来的に手術になる事もあります。

『出来ればクスリは使用したくない』、『食物繊維や乳製品で様子を見たい』等の意見もありますが、出来れば妊娠中の場合には積極的にクスリを使って、便秘を解消しておく事がスムーズなお産の為に大切です。

妊娠中の便秘に対して使用するクスリは以下の2種類です。

マグラックス(酸化マグネシウム)
腸内に水分を引き寄せ、便を軟化増大させます。また、便増大による間接的な刺激で腸の運動が活発になり便通がつきます。
酸化マグネシウムは、昔からある古典的な薬ですが、今なお広く処方されています。
便秘症に処方されるケースが多いです。増量性・非刺激性の塩類下剤になります。
腸を直接刺激する刺激性便秘薬と異なり、習慣性が少なく、長く続けても効きめが落ちません。
多めの水で服用するのがポイントです。

ラキソベロン(ピコスルファート ナトリウム水和物)
腸を刺激し腸の運動を活発にして排便をうながします。効果の発現は7~12時間後です。
腸の運動が低下している「弛緩性便秘」に向きます。代表的な「大腸刺激性下剤」です。
刺激性下剤としては、耐性を生じることが少ないです。
錠剤のほか、液体やドライシロップもあるので、子供や高齢の人を含め各科で広く使われています。
妊娠中の便秘にも向きます。
また、腸の手術や大腸検査にそなえ、事前に腸内をきれいにする目的でも使います。

まず初めに、マグラックス錠を一回1錠、一日三回から開始します。
効果により一回2錠、一日三回まで増量します。
それでも十分な効果が無い場合には、ラキソベロン液を併用していきます。

かえる先生

子宮頸がん検診について…

子宮頸がん検診は、がん検診の中でも有効性の高い方法と考えられています。
対象となる女性には是非にも受けて頂きたいと思います。

検診を受けて必要に応じて適切な治療をすれば、子宮頸がんで死亡する確率は決して高くはありません。
早期診断する事で、子宮を摘出することなく、将来的に分娩する事が可能になります。
ただし、一部の非専門家が主張するような"検診さえ受けていれば妊娠も出産もほぼ100%大丈夫"という意見は誤りです。
産婦人科医の立場では、そうではない患者さんを数え切れないほど診ています。

"検診により子宮頸がんが見つかっても、初期の上皮内癌であれば、子宮の一部を焼灼する手術(レーザー蒸散術)や子宮の一部を取る手術(円錐切除術)で済む場合があります。
ただし将来妊娠した場合に、早産・未熟児の危険性が高まる場合もあります。
また円錐切除術の結果で予想よりも癌が進行していて子宮摘出が必要になる場合もあります。

また、子宮頸がん検診で見つけづらいタイプの腺癌は、進行して発見される場合もあります。
これが、"検診さえ受けていれば妊娠も出産もほぼ100%大丈夫"と言うのが誤り、つまり子宮頸がん検診の限界と言えます。

子宮頸がん検診で異常が指摘される方の多くは"異型上皮"です。異型上皮は、軽度から高度まであります。
この中には将来的に正常に改善するものから癌化するものが含まれています。
残念ながらこの異型上皮の治療はありません。つまり定期的に検査をして、その経緯を見守る事が大切になります。
つまり異型上皮の場合には、子宮頸がん検診の対象ではなく、定期的に専門医に受診して頂く事が大切です。

保険適応の対象に制限がありますが、HPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスの検査をする場合もあります。
HPV感染のうち一部の方が持続感染に移行し、そのうちの一部の方で癌化します。
日本人女性全体の約1.2%程度の方が生涯で子宮頸がんを発症すると言われています。

200種類以上あるHPVのうち16型、18型は感染から最短で5年、基本的には10年以上かけて癌化する事が多く、その52型、58型は感染から数十年かけて癌化する事が多いと考えられています。
子宮頸がんは全例が"HPV感染→前癌病変→癌化"という過程を経と考えられています。

HPV検査が陰性であれば子宮頸がんになる事は無いが、HPV検査が陽性であれば、将来子宮頸がんになる可能性があるため、子宮頸がん検診・細胞診の結果が成城であっても、年に数回の子宮頸部細胞診を行う事で癌化の兆候を見逃さないようにする必要があります。
ちなみにHPV感染はHPVワクチン接種によって防ぐ事は出来ますが、HPV感染を治療する方法はありません。

日本では毎年、前癌病変で発見される方が3万人以上、進行癌で発見される方が約1万人、治療しても死亡する方が約3000人弱と言われています。

子宮頸がんで命を落としたり、子宮を摘出する事にならないためには、HPVワクチン接種を広く普及させて、子宮頸がん検診の受診率を上げる事が重要だと言えます。

カエル1

妊娠中の便秘について…

妊娠中の便秘について

妊娠すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加します。
このプロゲステロンは平滑筋の収縮を弱くするので子宮収縮が抑制されて、流・早産しにくくなると言われています。
ところが、腸管の動きも抑制してしまいます。また妊娠経過により大きくなった子宮によって腸管が圧迫される事により、
腸管の動きはさらに鈍くなります。
このような原因から、一般に妊娠中は便秘になり易いのです。

日頃から便秘の方の場合には、それが当たり前になっている事も多いようですが、妊娠中は出来れば妊娠初期から分娩に至るまで、便秘をしっかりと解消して、『毎日、食べた分に見合った量の便が、あまり硬くない便が、強く息まずにスムーズに出る』状況が望ましいです。

一般に便秘が酷い場合には、腸管内に『宿便』と言って硬い便が停滞している事があります。
硬い宿便が沢山残っている場合には、分娩時に胎児の下降の妨げになる事もあります。
実際に30年前には、陣痛で入院した妊婦さんには、もれなく浣腸をしていました。

また硬い便を出すのに、強く息んで排便する習慣になっていると気付かないうちに痔になっている事も多く見られます。痔は放置していると、分娩時に息んだことによって悪化してしまい、将来的に手術になる事もあります。

『出来ればクスリは使用したくない』、『食物繊維や乳製品で様子を見たい』等の意見もありますが、出来れば妊娠中の場合には積極的にクスリを使って、便秘を解消しておく事がスムーズなお産の為に大切です。

妊娠中の便秘に対して使用するクスリは以下の2種類です。

マグラックス(酸化マグネシウム)
腸内に水分を引き寄せ、便を軟化増大させます。また、便増大による間接的な刺激で腸の運動が活発になり便通がつきます。
酸化マグネシウムは、昔からある古典的な薬ですが、今なお広く処方されています。
便秘症に処方されるケースが多いです。増量性・非刺激性の塩類下剤になります。
腸を直接刺激する刺激性便秘薬と異なり、習慣性が少なく、長く続けても効きめが落ちません。
多めの水で服用するのがポイントです。

ラキソベロン(ピコスルファート ナトリウム水和物)
腸を刺激し腸の運動を活発にして排便をうながします。効果の発現は7~12時間後です。
腸の運動が低下している「弛緩性便秘」に向きます。代表的な「大腸刺激性下剤」です。
刺激性下剤としては、耐性を生じることが少ないです。
錠剤のほか、液体やドライシロップもあるので、子供や高齢の人を含め各科で広く使われています。妊娠中の便秘にも向きます。また、腸の手術や大腸検査にそなえ、事前に腸内をきれいにする目的でも使います。

まず初めに、マグラックス錠を一回1錠、一日三回から開始します。効果により一回2錠、一日三回まで増量します。それでも十分な効果が無い場合には、ラキソベロン液を併用していきます。

かえる先生

PMSについて…

PMS(月経前緊張症候群)とは、月経開始の3~10日前頃に現れるに心や身体に現れる不快な症状の事です。これらの症状は、月経が開始すると改善傾向になること事が特徴です。

月経のある女性のうち70~80%は、月経前に何らかの不快な症状を感じているようですが、その症状は様々です。軽度な場合には、生活習慣の改善などで良くなることもありますが、日常生活や仕事に影響が出るほどの重症の場合もあります。

PMSの原因ははっきりしていませんが女性ホルモンとの関連が示唆されています。「女性ホルモンのバランスの乱れ」が原因と誤解される事もあるようですが、月経の無い女性にはPMSはおこりません。つまり女性ホルモンの働きで排卵や月経がきちんと起きているからこそPMSが起こるのです。

性格がまじめで、我慢強く、自分に厳しく完璧主義、生活のリズムが不規則な女性に多いとも言われています。

PMSの症状が出やすい年令は様々ですが、年齢を重ね経験する月経の回数が多くなるにつれて症状が強くなる傾向もあるようです。

20代の頃は気持ちが落ち込んだりくよくよしたりと、心の抑うつ症状が多く見られますが、30代以降になると、イライラしやすく怒りっぽくなったりする事も多く見られます。また心に現れる症状に加えて、身体に現れる症状も出やすくなるようです。

また、妊娠・出産・育児の経験・仕事の有無・夫婦や親子関係なども、PMSの症状に影響しやすい事が知られています。

心に現れる症状
 些細な事でイライラする
 周囲の人に八つ当たりする
 涙もろくなる
 集中力が低下する
 家事・仕事は進まない
 日中に眠気がする
 夜眠れない

身体に現れる症状
 体がだるい
 めまい・どうき・吐き気
 胸が張る
 肌が荒れる
 体がむくむ
 食欲不振・増加
 頭痛
 腹痛
 腰痛

PMSの治療

漢方薬 
患者さんの全身状態・症状などから、加味逍遙散・桂枝茯苓丸・当帰芍薬散・抑肝散・五苓散などを処方します。症状の改善まで、最低2か月程度は継続して頂くのが良いとおもいます。

サプリメント 
tocoelleトコウェルは、ビタミンEの一種であるγ-トコフェロールγ-トコトリエノール、大豆イソフラボンが腸内細菌で変換され作られるエクール、接種不足になりやすいカルシウムからなる複合型サプリメントで、PMSの症状軽快が期待されます。

低用量ピル LEP
月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる低用量ピルは、PMSの症状軽快・改善に効果があります。特に低用量ピルの連続投与法は、月経を3~4か月に一度にする事が可能であり、PMSの回数も減らすことが出来ます。

黄体ホルモン製剤
月経困難症に用いる黄体ホルモン製剤のジェノゲストは、本来PMSの治療目的の薬剤ではありませんが、ジェノゲストを服用中は基本的に無月経なるので、PMSの症状軽快・改善に効果があります。

生活習慣の改善
PMSは、ストレスや生活習慣の乱れなどが原因の可能性もあります。ここ数年は特に新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン授業・テレワークの普及により様々な生活習慣の変化があります。食生活の改善・日光を浴びての運動などを心掛けてみるのも良いでしょう。

PMSは、ご主人をはじめとして男性にはなかなか理解されにくいのが特徴です。月経に伴う様々な症状は、自然なものだからと我慢し過ぎると、学業や仕事に影響が出て、生活の質が著しく低下します。あまり我慢しないで、産婦人科医に相談して頂きたいと思います。

ワニ寝起き

更年期障害について…

更年期障害について…

日本人女性の閉経年齢50歳前後といわれていますが、この前後約10年間を更年期、またこの期間に起こる心身の不調を「更年期障害」と言います。

一般に閉経後に女性ホルモンのエストロゲンが低下すると、多くの身体的・精神的な症状が出やすくなります。
40歳未満で自然閉経となった場合には特に早発閉経と言って、病気に関するリスクが高くなります。

ホルモン補充療法(HRT)…
低下したエストロゲンを補うことで、身体的・精神的な症状を改善させる治療法で、
更年期障害には第一選択の治療方法を考えられています。

HRTにより改善される主な症状には、以下のものです。

・不定愁訴:のぼせ・ほてり・発汗・動悸・不眠・関節痛・抑うつ・イライラ

・萎縮性膣炎・性交痛・頻尿・膀胱炎

・骨粗鬆症

・脂質異常症(高LDLコレステロール血症)

HRTの副作用について…
治療開始初期には、乳房痛や不正性器出血などが見られる事がありますが、
継続すると多くの症状は軽快していきますので、更年期障害の症状の改善と副反応を考慮しても、
最低3か月前後は経過を見ていきます。

HRTとがんについて…
エストロゲンは子宮体がん、プロゲステロンは乳がんとの関連があると言われています。
しかしながら、エストロゲンはプロゲステロンと適切に併用することで、
プロゲステロンは天然型プロゲステロンの使用により、がんの発症率の上昇を防ぐ事が可能です。

HRTは何時から始めるか・何歳まで続けるのか…
・閉経後10年以上経過、または60歳以上でHRTを開始した場合、
心筋梗塞などの心疾患の発症リスクが増加するとお報告があるので、
可能であれば閉経後早期に、出来れば閉経後10年以内、あるいは50歳までに始められる事が良いでしょう。

・50歳未満に閉経になった方は、まずは50歳まで継続しましょう。
エストロゲンが低下により骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。
このために、50歳未満で閉経となった場合には、骨粗鬆症の予防のためHRTをお勧めします。

・50歳以降に閉経なった方は、HRTによる骨粗鬆症の骨折予防効果は60歳以下で高いため
、60歳前後まで継続する事をお勧めします。

HRTに使用される薬は…
・エストロゲン製剤(経口薬・経皮薬)

・黄体ホルモン製剤(経口薬)

・エストロゲン・黄体ホルモン配合剤(経口薬・経皮薬)

患者さんの状態や病状に合わせて、この三種類の薬剤を用いて、
毎月出血が起こる周期的投与方法あるいは出血の起こらない持続的投与方法を行います。

かえる先生

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プロフィール

Leopardenfrosch

Author:Leopardenfrosch
赤ちゃんには、未来・夢があります。

お母さんたちが“良いお産”を経験
することで、一人でも虐待される
子どもをなくしたい…

赤ちゃんの未来・夢を応援したい…

ひとりの産科医として、心から願っています。


   いのうえクリニック
   川崎市宮前区宮崎5-14-2
   ℡044-870-4152

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